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「外様」はすぐに受け入れられないのが当たり前 元サッカー日本代表監督・岡田武史氏が、企業のアトツギに語ったこととは

日本企業の99%を占める中小企業の後継者、いわゆる「アトツギ」支援を促進し、地域の活性化につなげるイベント「アトツギSUMMER CAMP(サマーキャンプ」が、9月9、10日に東京都で開催されました。

「同じ悩み抱える」後継者160人参加

提供:中小企業庁

中小企業庁は近年、 中小企業の経営者が高齢化し、後継者問題が深刻化していることから、事業承継を積極的に支援しています。

この中で、全国各地の後継予定者が新規事業アイデアを競うイベント「アトツギ甲子園」を毎年開催していますが、参加者から「同じ悩みを抱える後継者たちとのつながりが欲しい」といった声が上がっていました。このため、今年初めてサマーキャンプを実施しました。

当日は、20~30代の若い後継者や、アトツギ支援を行う全国の信用金庫・自治体の担当者ら約160人が参加しました。

岡田氏、チームマネジメントを語る

 イベントでは、ベテラン従業員とのコミュニケーションや人手不足など、多くの後継者が抱える課題について議論するグループワークや、有識者によるセッションなどが行われました。

このうち、「イノベーションは地方から起きる〜アトツギがおこす地方革新の可能性」をテーマにしたセッションでは、元サッカー日本代表で現在FC今治の代表取締役会長兼オーナー岡田武史氏が登壇し、日本代表やFC今治のマネジメントについて自身の経験を紹介しました。

岡田氏は、「新しい人や外から来た人はすぐに受け入れられないのが当たり前。自分なりのミッション・ビジョンを掲げて共通認識を作っていくこと、失敗を繰り返しながら自分自身が学ぶことが大切です」などと話し、会場の人たちは熱心に聞き入っていました。

中小企業庁財務課の薮内亮我氏は、「予想を上回る多くの方が参加し、アトツギ支援を継続的に行っていく必要性を改めて感じました。後継者の活躍、中小企業の成長は日本の未来を支えることにつながるので、今後も支援を充実させていきたいと思います」と話しています。

中小企業庁は、5回目のアトツギ甲子園のエントリーを募っているほか、今年10月と11月にも後継予定者を対象としたミートアップイベントを企画しています。

取材・文/佐藤真希

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