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自営業の後継はどうすべき? メリット・デメリット、成功ポイントを解説!

「自営業を長く続けてきたけど、そろそろ子どもに承継しようか考えている」という人は少なくありません。自営業で事業承継する場合、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。本記事では、自営業の事業承継におけるメリット・デメリット、成功ポイントについて解説します。 

自営業を継ぐメリットとは?

まずは自営業を事業承継することによるメリットを見ていきましょう。

①既存の顧客基盤とブランド力がある

自営業を引き継ぐことで、すでに確立された顧客基盤やブランド力を活用することができます。新規に事業を始める場合、顧客獲得には多くの時間と労力がかかりますが、自営業を継承することで、そのプロセスをスキップし、スムーズに事業を継続できるでしょう。また、長年築いた信頼性や安定性も、顧客や金融機関に対してアピールする際に有利です。

②経験とノウハウを継承できる

経営者が培ってきた経験やノウハウを引き継げるため、未経験の分野でも安心して事業を運営できます。また引き継ぎの際には、経営者から直接アドバイスや指導を受けることができ、事業を円滑にスタートさせることも可能です。

③人脈やビジネスパートナーを継承できる

既存の人脈やビジネスパートナーを引き継げるので、新たな取引先を開拓する手間が省け、効率的に事業を展開することができます。また、取引先との信頼関係も継続して築けるため、安定した経営が期待できるのもメリットです。

④資産や設備を引き継げる

通常、新規事業を立ち上げる際にはそれなりのコストがかかりますが、資産や設備を引き継げば、必要な初期投資を抑えられます。さらに既存の設備を利用して、すぐに事業を開始することができるため、時間のロスを最小限に抑えられます。

自営業を継ぐデメリットとは?

続いて、自営業を事業承継することによるデメリットを見ていきましょう。

①自由度の制約がある

特に事業を引き継いだ直後は、既存の事業スタイルや方針に縛られざるを得ない状況といえます。新たなビジネスや手法を創出しなくても経営が回っていくため、自らどんどん変化を起こしていきたい後継者にとっては不満や物足りなさにつながる可能性があります。

②親子間で経営方針が異なることがある

家業を継ぐ場合、親子間でのコミュニケーションが重要となります。親子間での意見の相違や価値観の違いが生じることは自然なことですが、お互いに対する尊重が欠けてしまうと、事業承継に悪影響を及ぼすことがあります。

特に中小企業の場合、先代経営者が「息子にはまだ任せられない」といつまでも会社に残って指示を出すケースは少なくありません。こうなると後継者側もストレスになりますし、従業員からの信頼も得られず、いつまで経っても経営者として一人前になれない恐れもあります。

③責任が重い

家業を継ぐことで、先代から引き継いだ事業の成功・失敗に対する責任が重くのしかかります。

とはいえ、この責任感は経営者としての成長を促し、組織や従業員への責任を果たす上で大きな原動力となります。責任感をもって自身のリーダーシップを磨いていくことで、事業の持続的な成長を支えることができるでしょう。

自営業の事業承継における成功ポイント

自営業の事業承継を成功させるために経営者、後継者候補が行うべきポイントは、以下の通りです。

①ビジョンの共有

承継成功のためには、家族や従業員と将来のビジョンを共有することが重要です。そのため、具体的な目標や計画を明確にし、関係者とコミュニケーションを密にすることが求められます。もしビジョンが定まっていないのなら、事業承継を機につくることをおすすめします。

また経営者が主導し、従業員にも自分たちの役割や責任を理解させることが重要です。このような取り組みを通じて、組織の士気を高め、事業承継後の安定した経営基盤を築くことができます。

②後継者の育成

後継者を早期に育成し、経営や業務に携わらせることで、将来的な承継を円滑に進めることができます。

後継者に対しては、経営スキルや業務知識の習得を促すとともに、リーダーシップやコミュニケーション能力を高める教育プログラムを提供することが重要です。また、後継者には他社での経験や異業種での知見を積ませることも有益です。

後継者育成のポイントは、こちらの記事で詳しく解説しています。
「「カバン持ち」も有効! 後継者育成のポイントとは?」

③資産承継の対策を講じる

事業承継では、中小企業であっても多額のお金が動くケースが珍しくありません。何の対策も講じないと、相続をはじめとするさまざまなトラブルが起こり、場合によっては事業承継を断念せざるを得ない状況に陥る可能性もあります。

こちらの記事では、資産承継をする上で押さえておくべきポイントを解説しています。ぜひご一読ください。
「相続トラブルを防ぐ「資産承継」のポイントとは?」

まとめ

事業承継は容易なものではありませんが、適切な計画と対策を行うことで成功へと導くことができます。特に自営業者の場合は子どもに継ぐことが多いと思いますが、親子だからこそ密なコミュニケーションを心がけ、従業員などの協力も得ながら承継を成功に導いてください。

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賢者の選択 サクセッション編集部

賢者の選択サクセッションでは、⽇本経済の課題解決と発展のためには、ベンチャー企業の育成と併せて、これまでの⽇本の成⻑を⽀えてきた成熟企業∕中堅‧中⼩企業における事業承継をフックとした経営資源の再構築が必要であると考えています。 ビジネスを創り継ぐ「事業創継」という新しいコンセプトを提唱し、社会課題である事業承継問題に真摯に向き合うことで、様々な事業承継のケースを発信しています。 絶対解の存在しない事業承継において、受け継いだ経営者が事業を伸ばす きっかけとなる知⾒を集約していきます。

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