COLUMNコラム
「事業承継補助金」の審査に通るためのポイント
事業承継を行なう企業にとって心強い味方となってくれるのが、事業承継補助金です。本記事では、事業承継補助金の概要から申請書の手続き、審査をクリアするためのポイントを紹介します。
目次
事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)とは
事業承継補助金とは、事業承継をきっかけとして経営革新や事業転換などといった新たな取り組みをする中小企業を対象とした補助金制度のこと。かつてこの制度は、第二創業促進補助金と呼ばれていましたが、平成29年度には「事業承継補助金」となり、その後2021年度から事業承継補助金と経営資源引継ぎ補助金が合わさって、「事業承継・引継ぎ補助金」が創設されました。
自社株の取得などで多額の費用がかかったり、後継者が見つからず、事業承継を断念する中小企業は増加傾向にあります。また、事業承継を無事に終えることができても、費用が足りず、思いきった投資に挑戦できない企業も多いです。
そうした中小企業のために、国によるさまざまな取り組みがなされています。事業承継補助金の制度は、そのうちの一つとして設立されました。事業承継を促進し、日本経済の活性化を図ることが目的です。
事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)制度のポイント
事業承継補助金を希望する場合、次の4つのポイントを押さえておきましょう。
①申請はシステム経由で行う
事業承継補助金の交付申請には、経済産業省が運営する電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」を利用します。アカウントの発行には1~2週間程度かかるので、余裕を持って申請しましょう。また、公募開始前の発行申請も可能です。
②申請期間は4期間
令和3年度補正予算 事業承継・引継ぎ補助金では、申請期間は4期間となっています。申請期間を確認のうえ、タイミングのいいものを選びましょう。
③補助対象は限定的
事業承継・引継ぎ補助金は、経営革新と専門家活用に分かれています。専門家活用においては、委託費のうち、FA業務または仲介業務に係る相談料、着手金、成功報酬等の中小M&Aの手続進行に関する総合的な支援に関する手数料に関しては、「M&A支援機関登録制度」に登録された登録FA・仲介業者が支援したもののみが補助対象となります。
④廃業・再チャレンジ事業の新設
令和3年度補正予算 事業承継・引継ぎ補助金では、廃業・再チャレンジ事業が新設されました。経営革新事業・専門家活用事業との併用申請が可能です。
事業承継補助金の採択率をアップするコツ
事業承継補助金の申請は、認定経営革新等支援機関への相談、事務局への交付申請、補助事業の実行の順で進んでいきます。なお、交付申請した人すべてが採択されるわけではありません。申請書を提出し、厳正な審査を経て、クリアした人のみが補助を受けられます。ここでは、事業承継補助金の採択率を上げるためのコツを紹介します。
①申請書は簡潔に、読みやすく
補助金が無事に下りるかどうかは、申請書の中身に左右されます。読みやすく、わかりやすい申請書に仕上げましょう。また、誤字・脱字がないよう、ダブルチェック、トリプルチェックをしたり、印刷して文章を直したりするのもおすすめです。第三者に読んでもらい、不明瞭な部分がないか確認してもらうのもいいでしょう。
②申請目的をしっかりアピール
どんな事業をしていて、何のために補助金が必要なのか、補助金をどう活用する予定なのかをきちんと申請書に書きましょう。事業承継補助金にも予算があるため、明確な目的をもって運営している事業が優先的に採択されます。
③事業の強みを明らかにする
事業にはどのような強みがあって、社会にどのように貢献できるのかを明確に記載しましょう。申請書を読むのは、あなたの事業をまったく知らない人です。いくら強みがあっても、相手に伝わらなければ意味がありません。言語化が難しい場合は、社内でディスカッションして少しずつ形にしていくのもいいでしょう。
まとめ
事業承継補助金の制度を活用することで、事業を存続させ、発展させるための投資ができます。事業の存在意義をアピールできるよう、申請書を入念に準備しましょう。
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