COLUMNコラム
経営者の強い味方! 事業承継センターのサポート内容
後継者不在に悩む中小企業・小規模事業者を支援するために設置された「事業承継・引継ぎ支援センター(事業承継センター)」。各都道府県に設置されていますが、その詳細はまだまだ知られていません。本記事では、事業承継センターのサポート内容を解説します。
目次
事業承継・引継ぎ支援センター(事業承継センター)とは
事業承継センターとは、国が設置する、事業承継をサポートするための窓口です。事業承継センターのWebサイトには「親族内への承継も、第三者への引継ぎも、中小企業の事業承継に関するあらゆるご相談に対応します」と書かれており、さまざまな中小企業の相談に対応していることがわかります。
事業承継センターは、後継者不在に悩む中小企業を支援するための窓口として、2011年度に設置されました。
2021年4月には、第三者承継の支援を行っていた「事業引継ぎ支援センター」と、親族内承継の支援を行っていた「事業承継ネットワーク」の機能が統合され、さまざまな形式の事業承継相談に対応する「事業承継・引継ぎ支援センター」となりました。
北は北海道から南は沖縄まで、47都道府県に窓口が設置されています。
事業承継センターのサポート内容
事業承継センターのサポート内容は、以下の4つです。
①第三者承継支援
②親族内承継支援
③後継者人材バンク
④経営者保証に関する支援
それぞれのサポート内容について簡単に紹介しましょう。
①第三者承継支援
第三者承継支援では、後継者が不在の場合に、相談から譲受企業の紹介、成約まで、第三者への承継をサポートしてもらえます。
ポイントの一つは、案件に合わせた柔軟なサポートにあります。
事業承継センターのWebサイトによると、以下の3種類のサポートを受けることができます。
1.民間事業者・金融機関等につなぐ
事業承継センターには、民間のM&A仲介業者や金融機関が登録されています。事業承継センターは、譲渡企業と登録支援機関とつなぐ役割を担います。
登録支援機関は、譲渡企業にマッチした譲受企業を紹介するとともに、譲渡契約の制約までサポートします。
2.マッチングを直接コーディネート
譲渡企業のリクエストに応じて、譲渡の進め方のアドバイスや譲渡先の紹介、譲渡条件のすり合わせ、書類作成の知識を持った専門家を紹介します。
3.後継者人材バンクを活用
創業支援機関と連携し、後継者不在の企業と起業を希望する人材のマッチングをサポートします。
②親族内承継支援
親族内承継支援では、親族への事業承継に向け、地域の支援機関や金融機関と連携して事業承継計画策定を支援します。具体的な流れは次の通りです。
1.事業承継に取り組む中小企業・小規模事業者に対して「地域の支援機関や金融機関による事業承継診断等」と「エリアコーディネーターによる課題整理」を行う
2.承継コーディネーター、サブマネージャーが、課題を整理し、今後やるべきことをアドバイスする
3.税理士や中小企業診断士等の外部専門家と連携し、「事業承継計画」策定を支援する(無料)
③後継者人材バンク
後継者人材バンクでは、創業を目指す起業家と、後継者を探す会社や個人事業主をマッチングします。事業承継センターが二者の間に入ることで、創業希望者の「起業」と中小企業・個人事業主の「事業承継」を同時に実現し、後継者不在の事業者の後継者作りを支援しているのです。
第三者に事業承継するメリット・デメリットとして、事業承継センターのWebサイトには以下のように記載されています。
【メリット】
・先祖代々承継してきた事業を絶やすことなく、次世代に引き継ぐことができます。
・事業の存続を望む従業員や取引先、地域からの期待に応えることができます。
【デメリット】
・親族への承継と異なり、様々な条件面での取り決めを行う必要があります。
・後継者に中小企業者等の思いを十分に理解してもらえるまでに時間がかかる場合があります。
④経営者保証に関する支援
経営者保証に関する支援では、事業承継の障害となる経営者保証解除のサポートを受けられます。
具体的な相談の流れは以下の通りです。
1.事業承継に取り組む中小企業・小規模事業者が、事業承継・引継ぎ支援センターの窓口に相談する
2.経営者保証コーディネーターが、経営者保証に関するガイドラインの充足状況を確認し、アドバイスする
3.中小企業・小規模事業者が信用保証制度の保証料の軽減を受ける
4.金融機関の判断によって保証解除
まとめ
中小企業にとって、事業承継の心強い味方となってくれる「事業承継センター」。「第三者承継支援」「親族内承継支援」「後継者人材バンク」「経営者保証に関する支援」について、自社の状況やニーズに合わせて相談してみてはいかがでしょうか。
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