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「企業文化」も引き継がなければ、事業承継で顧客を失うリスク chatGPTなどAI技術も活用して価値観共有を

中小企業の事業承継について専門家とともに学ぶ「サクセッションアカデミー」(主催・一般社団法人サクセッション協会)が7月31日、東京都銀座及びオンラインにて開催されました。今回のテーマは「事業承継における企業文化と価値観の理解」で、事業承継が単なる手続きではなく、企業文化や価値観の継承も含めて重要であることが強調されました。

企業文化、価値観という目に見えないものを引き継ぐために

サクセッションアカデミーは、事業承継が抱える課題を浮き彫りにし、企業の持続可能な成長へと導くことを目的として設立されました。メガバンク出身の同協会代表理事、原健太郎氏と、外資系企業で約30年以上にわたりコンサルティング業務を経験した同協会フェローの中山良一氏が講師を務めます

両氏は、事業承継後、顧客や取引先が離れてしまうケースを多く目にしてきたといいます。特にM&Aでは、企業文化や価値観が変わってしまい、顧客を失うリスクも高いと言います。原氏は、「創業者の理念や考え方を動画でまとめる」ことを提案し、中山氏は、「企業文化や価値観を言語化してシェア(共有)する重要性」を説きました。

また、「言語化にはChatGPTの活用が有効であり、AI技術を駆使することで企業の“ミッション・ビジョン・バリュー”を明確にし、付加価値の高い事業承継が実現できる」と中山氏は述べました。

事業承継のシステム化、AI活用も

事業承継には、会社の「事業システム」と「文化・価値観・理念」の二面があるといいます。中山氏は、「事業承継をシステム化し、人間関係に注力できる余裕を生む」ことが大切だとし、「システム化やAI活用によりコストを削減し、企業文化を継承するための時間的余裕を」と述べました。

原氏も、「一気に承継するのではなく、段階的に現経営者が権限を移譲することで文化面も含めた事業承継が成功する」と述べました。

セミナーの最後には「企業文化を一朝一夕に引き継ぐことはできないため、経営者の思いを分かりやすく言語化することが重要」と結論づけました。

サクセッションアカデミーは、会社経営に関わる人や事業承継に興味を持つ創業希望者なら、誰でも参加可能です。詳しくは「賢者の選択サクセッション」ホームページから。

取材・文/松田謙太郎

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賢者の選択サクセッション編集部

日本の社会課題である事業承継問題を解決するため、ビジネスを創り・受け継ぐ立場の事例から「事業創継」の在り方を探る事業承継総合メディア「賢者の選択サクセッション」。事業創継を成し遂げた“賢者”と共に考えるテレビ番組「賢者の選択サクセッション」も放送中。

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