COLUMNコラム
新規事業のアイデアを解説! 国内外の具体例もご紹介
新規事業を成功させてさらなる成長を目指したい方は多いでしょう。今回は国内外で成功した新規事業のアイデアの例をご紹介します。
目次
日本交通~「このままでいいや」から脱却し挑戦へ~
日本交通の3代目社長、川鍋一朗氏は、大胆な経営改革の末に新規事業を成功へと導きました。
アメリカでのMBA取得や他社での勤務を経て、30歳で入社した川鍋氏は、既存事業のみで満足してしまうことを恐れ、ゼロから事業を立ち上げるベンチャー経営者と積極的に交流していました。その影響もあり、入社半年で新事業を展開する子会社を立ち上げましたが、この事業は失敗に終わります。
しかし、挑戦と失敗を重ねたことで、その後始動させた、介護や観光案内のできる乗務員による「エキスパート・ドライバー・サービス(EDS)」は話題を呼びました。特に、タクシービジネスとITビジネスを融合させるというアイデアから、DeNAの配車サービスと事業統合して生み出された、配車アプリ「GO」は、今までにない画期的なサービスとして多くの人に利用されています。
「日本交通TV放送動画はこちら:
【第12回放送】日本交通株式会社の事業承継 (本編)」
株式会社陣屋~社内のための開発が新規事業に発展~
歴史ある老舗旅館を運営する、株式会社陣屋を承継したのが、4代目女将の宮崎知子氏です。一時は負債総額が10億円にまでのぼった陣屋をどのように立て直したのでしょうか。
まず、スタッフ間での情報共有がうまくいっていないことに目をつけ、エンジニアを雇い、業務管理システム「陣屋コネクト」の開発に取り掛かりました。「陣屋コネクト」により、スタッフの勤怠や宿泊客の予約情報などを一括で管理し、リアルタイムでスタッフ全員に共有できるようにしたことで、入社からわずか2年半で経営状況を黒字へと転換させました。
それだけではなく、システムのさらなる改善を求めて、「陣屋コネクト」の外販を開始し、現在では収益の半分近くを「陣屋コネクト」の売り上げが占めています。
「陣屋TV放送動画はこちら:
【第7回放送】株式会社陣屋の事業承継(本編)」
エアウィーヴ~新しい視点で会社が大きく変化~
マットレスで知られるエアウィーヴも、事業承継による成功事例の一つです。株式会社エアウィーヴは、元々釣り糸の押出成形機の製造会社でしたが、現社長である高岡本州社長が叔父からその会社を受け継ぎました。
押出成形機を作る過程の中で、成形機から出てくる樹脂をマットレスに使用するというアイデアを思いつき、エアウィーヴの製造を開始しました。寝具メーカーとして新たに出発した株式会社エアウィーヴは、アスリートなどからも注目されたことで、国内での売上を大きく伸ばし、苦境に陥っていた会社を立て直しました。
タニタ~中核商品に関連する新規事業を開始~
タニタといえば、「タニタ食堂」が今や看板事業になっていますが、これも承継者によって始められた新事業です。
体脂肪まで計れる機能の付いたヘルスメーターで有名だったタニタですが、3代目社長に就任した谷田千里氏によって、自社の社員食堂で提供しているメニューを、レシピ本にするという新しい試みが始められました。
レシピ本が反響を呼んだことにより、事業はさらに拡大し、実際にレシピ本のメニューを提供する「タニタ食堂」が開業しました。社員の健康と向き合い続けてきたことが、新事業を成功へと導いたと言えるでしょう。
由紀精密~町工場が新たな視点で高精密な部品づくりへ~
神奈川県茅ヶ崎市の町工場を祖父、父から受け継いだのが3代目社長の大坪正人氏です。大坪氏は東京大学で機械工学を学び、卒業後は一度3Dプリンターによる高速金型製造を行う会社に就職しており、32歳のときに由紀精密を継ぎました。
由紀精密では、公衆電話の部品を生産していましたが、いずれ需要がなくなることを懸念し、由紀精密の技術に大坪氏のそれまでの経験と知識を合わせて、高精密の部品づくりを始めました。今では、由紀ホールディングスという持ち株会社を設立し、JAXAなどとも取引していますが、モノづくりをしている日本の中小企業を変革することを目標に、成長を続けています。
「由紀精密TV放送動画はこちら:
【第5回放送】由紀ホールディングス株式会社の事業承継(本編)」
DG TAKANO~技術力を生かせるフィールドを見つけ世界展開へ~
高野精工社という業務用ガスコックの製造を行う会社も承継者によって立て直されました。
父からこの会社を継ぎ、3代目社長となった高野雅彰さんですが、家業を継ぐ以前はIT企業を起業していました。その際にたまたま受けた節水ノズルの仕事により、高野精工社の技術を使って節水ノズルを作ることを思いつき、完成した節水率95%の節水ノズルは「超モノづくり部品大賞2009」でグランプリを獲得しました。
現在高野精工社は、「DG TAKANO」と社名を改め、世界の水問題の解決に向けてビジネスの展開を進めています。
世界へ向けた事業の展開を視野に入れている企業は多いですが、実際に新規事業を国外で成功させた承継者もいます。
アウトドア用品で知られるスノーピークは、父から会社を継いだ2代目の山井太氏により始められたオートキャンプ事業が軌道に乗り、当時苦境に立たされていた会社を救うことに成功しました。その後も、国外への輸出や店舗の設立など、海外展開にも積極的に取り組み、各国で売上を伸ばしています。
まとめ
新規事業を開始し、成功した企業の事例を紹介しました。課題解決のためのツールが新規事業の鍵となっていたり、元々持っていた自社の強みと新たな視点の融合が、今までにはない発想を生んだりと、アイデアが生まれるまでの課程は企業によって様々ですが、もしかしたら、今手掛けていることの中に、新規事業のヒントが隠れているかもしれません。
過去記事では、新規事業のさまざまなことについて解説しているので、ぜひご参照ください。
(「新規事業の立ち上げを成功させる秘訣や注意点、成功事例を紹介」)
(「新規事業に活用できる、助成金や補助金利用者の事例を紹介」)
SHARE
記事一覧ページへ戻る