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事業承継を円滑に! 必要な資金と「資金調達」の方法をわかりやすく解説

事業承継では、自社株をはじめとした資産を引き継がなければならず、まとまったお金が必要になります。しかし、後継者の手元に資金がなければ、何らかの形で資金調達をしなければなりません。本記事では、事業承継時に必要となる資金や、その調達方法を解説します。

事業承継に必要な3種類の資金とは?

①自社株を取得するための資金

1つ目は、自社株を取得するための資金です。会社によっては、相続などを経て親族が株主となり、株式が分散していることがあります。後継者はそうした株式を取得するわけですが、分散しているままでは意思決定が難しく、経営が思うように進まないケースも珍しくありません。

したがって、株主が複数いる場合、後継者は少なくとも過半数の株式を買い集めることをおすすめします。そうしないと、自分の考えで事業を運営できなかったり、思うように人事を動かせなかったりすることもあります。

自分らしい経営を実現するために、株式を買い集めるための資金を確保しておきましょう。

②相続税や贈与税の納税資金

2つ目は、相続税や贈与税の納税資金。家族経営の会社に見られるケースです。事業承継では、先代の相続財産に会社の株式が含まれる場合、株式の相続が必要となります。

しかし、相続時には相続税が発生します。相続税を納めるための資金がなければ、相続を完了させることはできません。また、相続人が複数いる場合には、特に注意が必要です。

可能であれば先代経営者が存命のうちに、遺産分割や相続税の金額を確認し、あわせて税金の捻出についても話し合っておきましょう。また、生前贈与の場合には、贈与税がかかります。非課税枠などを確認しつつ、税金を最大限抑えた形で贈与を進められるよう計画を立てましょう。

③事業承継後の運営資金

3つ目は、事業承継後に必要となる運営資金です。先代の頃は問題なく融資を受けられていた金融機関であっても、事業承継後に融資条件が厳しくなり、資金不足に陥ってしまうことがあります。そのため、当面の間は会社を運営するための資金を十分に貯えておくことをおすすめします。もちろん、後継者に十分な実績があったり、優良法人であったりする場合は、このかぎりではありません。

事業承継における3つの資金調達方法!

①日本政策金融公庫の融資

1つ目は、日本政策金融公庫から融資を受けること。日本政策金融公庫とは、民間金融機関の取り組みを補完し、日本の事業を支援する機関です。「事業承継・集約・活性化支援資金」を主な施策としています。対象と資金の使いみちは次のとおりです。

  1. 中期的な事業承継を計画し、現経営者が後継者(候補者を含む)と共に事業承継計画を策定している方:事業承継計画を実施するために必要な設備資金および長期運転資金
  • 安定的な経営権の確保等により、事業の承継・集約を行う方:事業承継を行うために必要な設備資金および長期運転資金(事業を承継・集約される方に対する転貸資金を含む)
  • 事業の承継・集約を契機に、新たに第二創業(経営多角化、事業転換)または新たな取り組みを図る方(第二創業または新たな取り組み後、おおむね5年以内の方を含む):当該事業を行うために必要な設備資金および長期運転資金
  • 中小企業経営承継円滑化法に基づき認定を受けた中小企業者の代表者、認定を受けた個人である中小企業者または認定を受けた事業を営んでいない個人:事業承継を行うために必要な設備資金および長期運転資金であって、中小企業経営承継円滑化法施行規則に定める資金
  • 事業承継に際して経営者個人保証の免除等を取引金融機関に申し入れたことを契機に取引金融機関からの資金調達が困難となっている方であって、公庫が貸付けに際して経営者個人保証を免除する方:金融機関との取引状況の変化に伴い必要な長期運転資金

②信用保証協会からの特別保証

2つ目は、信用保証協会から特別保証を受けること。信用保証とは、信用保証協会が、中小企業が金融機関からお金を借りるための保証をする制度です。経営を承継した後に必要となる資金や経営を承継した後に必要となる資金、経営を承継した後に必要となる資金が支援されます。

③民間金融機関からの融資

3つ目は、民間の金融機関から融資を受けること。都市銀行をはじめとする金融機関にて、事業承継のための融資を受ける方法です。

まとめ

事業承継は、承継する側だけでなく、される側にも十分な準備が必要となります。予想外の支払いやトラブルを避けるためにも、必要な資金と調達方法を押さえ、スムーズな承継を実現しましょう。

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賢者の選択 サクセッション編集部

賢者の選択サクセッションでは、⽇本経済の課題解決と発展のためには、ベンチャー企業の育成と併せて、これまでの⽇本の成⻑を⽀えてきた成熟企業∕中堅‧中⼩企業における事業承継をフックとした経営資源の再構築が必要であると考えています。 ビジネスを創り継ぐ「事業創継」という新しいコンセプトを提唱し、社会課題である事業承継問題に真摯に向き合うことで、様々な事業承継のケースを発信しています。 絶対解の存在しない事業承継において、受け継いだ経営者が事業を伸ばす きっかけとなる知⾒を集約していきます。

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