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採択結果はどう確認する? 事業承継・引継ぎ補助金の基礎知識

多くの中小企業にとって、事業承継の大きな壁といえばやはり資金繰りでしょう。事業承継をするにあたって経営革新をしたり、専門家に相談したり、新たな挑戦をしたり……何をするにも、まとまった費用が必要になるのです。そんなとき、有効活用したいのが「事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)」。本記事では、事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)の基礎知識と、採択結果を確認する方法を紹介します。

事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)とは?

こちら※のサイトでは、「事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)」の概要を次のように解説しています。
事業承継・引継ぎ補助金

“事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継を契機として新しい取り組み等を行う中小企業等及び、事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎを行う中小企業等を支援する制度です。”

日本にはかつて、第二創業促進補助金という補助金制度が存在していました。その制度が平成29年度に「事業承継補助金」となり、令和3年度に事業承継補助金と経営資源引継ぎ補助金が合わさった「事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)」がスタートしたのです。

事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)が創設されたのは、日本の中小企業の事業承継を後押しするためです。事業承継にかかる費用を準備できなかったり、費用がないために思いきった投資ができなかったりする中小企業を支援するためにつくられた制度なのです。

事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)の種類

事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)には、「経営革新事業」「専門家活用事業」「廃業・再チャレンジ事業」の3種類があります。それぞれについて解説しましょう。

経営革新事業

事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)の「経営革新事業」は、経営革新を支援する補助金です。

「経営革新事業」は以下の3種類に分かれています。

【Ⅰ型】創業支援型
以下の2つの要件を満たすもの。
・事業承継対象期間内における法人(中小企業者)設立、又は個人事業主としての開業
・創業にあたって、廃業を予定している者等から、株式譲渡、事業譲渡等により、有機的一体としての経営資源(設備、従業員、顧客等)の引き継ぎ

【Ⅱ型】経営者交代型
以下の2つの要件を満たすもの。
・親族内承継や従業員承継等の事業承継(事業再生を伴うものを含む)。
・産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、経営等に関して一定の実績や知識等を有している者であること。

【Ⅲ型】M&A型
以下の2つの要件を満たすもの。
・事業再編・事業統合等のM&A
・産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、経営等に関して一定の実績や知識等を有している者であること

専門家活用事業

事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)の「専門家活用事業」は、専門家活用を支援する補助金です。

「専門家活用事業」は以下の2種類に分かれています。

【Ⅰ型】買い手支援型
事業再編・事業統合等に伴う経営資源の引継ぎを行う予定の中小企業者等であり、以下の2つの要件を満たすもの。
・事業再編・事業統合等に伴い経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新等を行うことが見込まれること。
・事業再編・事業統合等に伴い経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること。

【Ⅱ型】売り手支援型
事業再編・事業統合等に伴い自社が有する経営資源を譲り渡す予定の中小企業者等であり、以下の要件を満たすもの。
地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業等を行っており、事業再編・事業統合により、これらが第三者により継続されることが見込まれること。

廃業・再チャレンジ事業

事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)の「廃業・再チャレンジ事業」は、企業の廃業や再チャレンジを支援する補助金です。

「廃業・再チャレンジ事業」は、以下の4つの行動を伴う廃業が対象です。

(1)事業承継またはM&Aで事業を譲り受けた後の廃業
(2)M&Aで事業を譲り受けた際の廃業
(3)M&Aで事業を譲り渡した際の廃業
(4)M&Aで事業を譲り渡せなかった廃業・再チャレンジ

採択結果はどこから確認できる?

事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)の採択結果は、事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)の公式サイトの「採択結果」ページより確認できます。

「交付決定事業者一覧」として、該当回の採択結果が発表される形です。なお、これ以外にも、申請者全員に対して、「Jグランツ」を通じて採択結果の通知が行われます。

たとえば令和3年度補正予算の第4回公募では、審査の結果、以下のような倍率となっています。
・経営革新事業:264件の申請のうち146件が採択
・専門家活用事業:518件の申請のうち290件が採択
※専門家活用事業については、採択者は非公表
・廃業再チャレンジ事業:1件の単独申請と27件の併用申請があり、10件が採択

まとめ

事業を存続・発展させるための支援制度「事業承継補助金(事業承継・引継ぎ補助金)」。公式サイトから採択結果を確認すると、すべての申請が採択されるとは言えません。補助金交付を受けたいなら、入念に準備をしましょう。

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賢者の選択 サクセッション編集部

賢者の選択サクセッションでは、⽇本経済の課題解決と発展のためには、ベンチャー企業の育成と併せて、これまでの⽇本の成⻑を⽀えてきた成熟企業∕中堅‧中⼩企業における事業承継をフックとした経営資源の再構築が必要であると考えています。 ビジネスを創り継ぐ「事業創継」という新しいコンセプトを提唱し、社会課題である事業承継問題に真摯に向き合うことで、様々な事業承継のケースを発信しています。 絶対解の存在しない事業承継において、受け継いだ経営者が事業を伸ばす きっかけとなる知⾒を集約していきます。

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