COLUMNコラム
サクセッションプランとは? 定義やメリット、導入方法、成功した企業を紹介
時代やトレンドなどの外的要因だけでなく、経営者の交代や事業内容の変化などの内的要因によって、企業を取り巻く環境は日々変化しています。
そういった変化を柔軟に受け止め、ブランド価値を高めるうえでリブランディングは重要な取り組みです。リブランディングの言葉の意味、進め方、成功のポイントを解説します。
目次
サクセッションプランの定義
サクセッションプランとは、事業承継のために見込みのある後継者や幹部の候補を育成するための計画のことを指します。会社の社員全体を対象にする人材育成とは異なり、中小企業の後継者や大企業の幹部候補者を対象にしています。
サクセッションプランのメリット・デメリットを紹介
サクセッションプランのメリット
サクセッションプランのメリットとは、人材登用の基準が可視化され、会社や経営層への不信感を払拭することです。不信感を払拭することで、優秀な人材の定着に繋げることもできます。
自社社員から選定するメリットとしては、育成や採用のコストをおさえられることも挙げられます。サクセッションプランを生かして時間とコストの負担の減少を実現しましょう。
サクセッションプランのデメリット
サクセッションプランによる育成には、非常に長い時間を要するので、早期に後継者を必要とする企業には向いていません。後継者の育成を進めておけば、経営者幹部が突然退職したとしても対処できますが、候補者側が長い育成期間の途中で退職するケースもあります。
また、自社社員から候補者を選定する場合、候補から外れた社員のモチベーションが低下する恐れがあるので、候補者の選定は周囲の社員にも配慮して慎重に行う必要があります。
サクセッションプランの導入ステップ・導入方法
①経営戦略やビジョンを明確にする
後継者候補が自信をもって準備を進めていくために、企業が継承したい文化や慣習、改革したい分野などを分析し、候補者に明確に示す必要があります。経営戦略は育成の軸となる部分なので、育成を始めるまでにしっかり定めておきましょう。
②対象ポジションを決める
継承したい事業や分野を明確にした後は、対象ポジションの洗い出しを行います。事業承継のみであれば、企業代表者が対象となりますが、組織の改革を目的としているのであれば、経営層の役員なども対象に加えられます。どんな役割を担う人物が何人必要なのか、具体的に決めるようにしましょう。
③人材要件を設定し選出する
役職と人数の決定後には、将来的に求める人材要件と照らし合わせ、候補者を選定します。過去の経験やリーダーシップ、コミュニケーション能力などの要件を定め、選出には試験や自薦・他薦などの方法を用います。現時点の能力と合わせて、将来的な伸びしろについても考慮して選ぶと良いでしょう。
④育成計画を作成し実行する
育成計画では、求める要件に対して現時点で不足している部分を伸ばしていくことを目的としているので、候補者一人ひとりに合わせて作成するのが一般的です。配置転換やジョブローテーションを取り入れたり、海外派遣で経験や視野を広げたり、それぞれに合ったプログラムを組み、実行するようにしましょう。
サクセッションプランの事例
ふくや ~ 経営者になるためのスパルタ育成 ~
福岡にある株式会社ふくやは、地元では知らない人のいない明太子の製造会社です。現在社長を務めているのは5代目の川原武浩氏ですが、川原氏はもともと家業を継ぐ気はなく、演劇にかかわる仕事をしていました。
しかし、招集される形でふくやに入社し、そこから約2年間経営コンサルタントの下で勉強することになります。経営についての知識もない状態で始動した経営者育成でしたが、それを終えると、今度は複合施設の経営を一任されます。
入社からわずか2年という経験も浅い中での社長就任でしたが、経営者としての実地育成ということも兼ねられていました。このスパルタ教育が功を奏し、社長就任2年目で赤字であった複合施設の黒字化に見事成功した川原氏は、ふくやの5代目社長就任後も挑戦を続けています。
西松屋 ~ 一年半にわたる社長育成プロジェクト ~
株式会社西松屋チェーンの3代目社長、大村浩一氏は32歳という若さで先代から会社を引き継ぎました。26歳のときに西松屋チェーンに入社し、店舗や店長たちの統括を担当した後に法務やIRに携わり、経営に必要な知識を学びました。
社長就任1年半前からは、社長補佐室長として、先代である父からのOJTが始まります。打ち合わせや、取引先との面談に同席し、先代の背中を見ながら学ぶという育成方法が、大村氏の経営者としての成長を促したといえるでしょう。
「西松屋 大村浩一社長の事業承継とは」インタビュー記事はこちら
まとめ
サクセッションプランの定義から、メリット・導入ステップ・事例について解説しました。事業承継を成功させるためには、適した人材を選定する必要がありますが、将来経営者候補となるような優秀な人材を育てるには、サクセッションプラン以外の人材育成も重要です。
過去記事では、後継者教育のポイントについても解説していますので、ぜひご参照ください。
「事業承継における後継者教育のポイントは?」はこちら
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