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事業承継にはどんな問題がある? 知っておくべきリスクや解決方法について解説

事業承継を考えているのであれば、リスクについても知っておかなければ、事業承継をスムーズに実行することはできません。

今回は、事業承継が抱えている問題、経営者が知っておくべき問題、問題の解決方法、実際にあった問題と、その解決事例などについて解説します。

事業承継が抱えている問題

事業承継が抱えている代表的な問題として、後継者不足が挙げられます。

会社を継ぎたいと考える若い世代が減少していることで、経営者の高齢化や廃業に追い込まれる中小企業の増加など、後継者不足を原因とする他の問題も引き起こしています。

少子化が進む中で後継者を探すのは容易ではなく、国内企業のほとんどが中小企業である日本においては、全国的にダメージを受けることが予想されます。

そのため、廃業に追い込まれるリスクを削減するべく、国を挙げて中小企業を支援する取り組みが行われています。

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経営者が知っておくべき事業承継にまつわる問題

事業承継できなかった場合のリスク

後継者が見つからないまま、病気などにより会社を廃業せざるを得なくなった場合、下記のようなリスクが生じます。

・廃業コストがかかる
廃業に伴い、不動産の売却や機械整備の廃棄、従業員への退職金など、多額の廃業コストが発生します。負債を抱えている場合は、自宅などの個人資産も売却しなければならない可能性もあります。

・従業員が雇用を失う
廃業するとなると、従業員を解雇することは避けられません。
突然の廃業になれば、従業員は転職先が決まる前に職を失うことになり、家計を圧迫してしまう恐れもあります。

・提供していた商品やサービスがなくなる
事業譲渡なども行わずに廃業を選択すれば、提供していた商品やサービスは廃業と共になくなります。それまで関係を築いていた顧客や取引先にも迷惑をかけてしまうため、廃業を後悔する経営者も少なくありません。

事業承継の種類

事業承継にも方法はいくつかありますが、それぞれの事業承継で考慮するべき点やリスクがあるので、どの方法を選択するのか、慎重に検討するようにしましょう。

①   親族内事業承継
親から子へ、または親族内の誰かに会社を引き継ぐ方法です。

親族内承継では、相続や贈与によって株式を譲る方法が一般的ですが、株式が高額になった場合は、相続税・贈与税も高くなるリスクがあります。

税理士などの専門家に相談するなどして、株式の譲渡方法を早めに検討するようにしましょう。
②   社内事業承継
社内の役員や従業員の中からふさわしい人を選出して引き継ぐ方法です。

社内事業承継では、株式を売却する引き継ぎ方法が一般的ですが、株式を買い取る従業員が十分な資金を確保できているとは限らないので、承継する従業員とともに早めに準備を進めていく必要があります。
③   買収による事業承継
社外の第三者の中から候補者を探し、事業を引き継ぐ方法です。

株式を売却することで、経営者には利益が発生しますが、ふさわしい候補者がすぐに見つかるとは限らないので、経営状況が悪化する前に候補者探しを始めることをおすすめします。

遺留分についてのリスク

遺留分とは、最低限引き継げる遺産の割合のことを指し、相続による事業承継においては、注意するべき要素となります。

親族内承継で特定の親族に自社株式を引き継がせたい場合、遺言書を作成する方法がありますが、後継者以外の法定相続人から、遺留分に満たない金額を請求される可能性があります。

請求された側は支払わなければならないので、遺言書を作成する際には遺留分について十分注意しましょう。

事業承継にまつわる問題の解決方法

自社の状況を把握する

自社の状況が不透明なままでは、せっかく見つかった後継者もリスクを恐れて二の足を踏んでしまうので、経営状態や財務状況を明確にしておきましょう。

金融機関と良好な関係を築くために、財務諸表などを作成することもおすすめです。

複数の選択肢を用意し、早めに準備に取りかかる

前述したように事業承継には複数の方法があり、それぞれのプランを用意しておけば、問題が生じた際に他の方法に切り替えることで、解決できる可能性が高まります。

その分、準備には多くの時間を要するので、早めに準備に取りかかるようにしましょう。

後継者の育成計画を立てる

後継者候補となる人物がある程度選出できたら、自社の経営方針やノウハウを身につけてもらう必要があります。

また、承継後に問題なく事業を進行していけるように、従業員や役員との関係を築いておくことも重要です。

まずは事業承継を行う目標期日から逆算して育成計画を立て、中間目標も定めながら長期間じっくりと取り組むようにしましょう。

実際にあった事業承継にまつわる問題の事例

井筒まい泉~買収合併による事業承継

ヒレカツサンドでおなじみの「井筒まい泉」は現在、二代目である岡本氏によって経営されています。

実は、岡本氏は元々サントリーの社員であり、井筒まい泉の創業者がサントリーに事業売却を行ったことをきっかけに社長に就任しました。

この売却の背景にも後継者不在という問題があり、当時70歳を超えていた創業者は、井筒まい泉のブランドを残すために、大手企業に事業の引き継ぎを行いました。

岡本氏は社長就任後、社員との面談を通して社内の問題解決を試みるなど、引き継いだブランドを守るためにさまざまな改革に乗り出しています。

玲企画~義父から義理の息子への事業承継

玲企画は、小売業界の広告代理店として、百貨店の広告などを手掛ける会社です。

玲企画の創業者は年齢を理由に引退を考えていましたが、自身の子供は娘だけであり、男子がいないことを理由に、長女の夫である齋藤氏に会社を継いでほしいと打診しました。

齋藤氏は当時、友人とともに設立した会社の事業が軌道に乗っており、この打診には迷いもあったと言いますが、義父からの依頼に応じることにしました。

社長就任後は、業界の不況やリーマンショックなどの試練に見舞われ、義父との間で対立するような場面もありましたが、互いに向き合い、会社を引き継ぐ覚悟を再確認できたことで、数々の苦労を乗り越えることにつながりました。

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まとめ

本記事では、事業承継の抱える問題や解決策、事例について解説しました。

企業の経営体制や状況によって、事業承継の際に生じる問題は様々ですが、いずれ事業承継を考えているのであれば、早いうちから後継者を探したり、準備を始めたりすることをおすすめします。

過去記事では、後継者問題の実態についても解説していますので、ぜひご参照ください。
「後継者問題の実態とは?深刻化する原因や解決方法を解説」はこちら

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賢者の選択 サクセッション編集部

賢者の選択サクセッションでは、⽇本経済の課題解決と発展のためには、ベンチャー企業の育成と併せて、これまでの⽇本の成⻑を⽀えてきた成熟企業∕中堅‧中⼩企業における事業承継をフックとした経営資源の再構築が必要であると考えています。 ビジネスを創り継ぐ「事業創継」という新しいコンセプトを提唱し、社会課題である事業承継問題に真摯に向き合うことで、様々な事業承継のケースを発信しています。 絶対解の存在しない事業承継において、受け継いだ経営者が事業を伸ばす きっかけとなる知⾒を集約していきます。

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