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社長の平均年齢、33年連続で過去最高を更新 進まない新陳代謝、膨らむ「2025年問題」のリスクとは

帝国データバンクはこのほど、2023年12月時点の企業(個人企業、非営利企業、公益法人を除く)147万社の社長データを集計・分析した。社長の平均年齢は、60・5歳となり、33年連続で過去最高を更新した。2025年には、「団塊の世代」(1947~49年生)全員が75歳を超えて後期高齢者となり、事業承継問題によって日本経済のリスクが増大する「2025年問題」が顕在化する見通しだ。

帝国データバンクによると、147万社の社長の平均年齢は60・5歳。2022年を0・1歳上回り、33年連続で過去最高を更新した。上場会社に限ると、平均年齢は58・6歳となる。

50歳以上の社長は全体の81%。2022年に初めて80%を超えたが、さらに上昇した。40歳未満の若手社長は3・1%にとどまり、社長の高齢化は進むばかりだ。

また、社長が交代した割合は、わずかに全体の3・8%、2022年からほぼ横ばいで、14年連続の3%台だった。次期社長にバトンタッチする平均年齢は68・7歳で、2022年調査(68・8歳)からほとんど変わらず、引き継いだ新社長の平均年齢は52・5歳だった。

こうした状況では、産業界の新陳代謝は進まない。加えて、進行する社長の高齢化はさまざまな弊害をもたらす。

2023年、「後継者難による倒産」は586件だったが、これは2022年の過去最高487件を大幅に更新した。そのうちの約40%は「経営者の病気、死亡」が原因だった。社長の高齢化が今のまま進めば、不測の事態が生じるリスクは自ずと高まってくるだろう。

こうしたリスクを未然に防いで、円滑な事業承継を確実に進めるためには、計画的かつ余裕のある準備が必要だ。早い段階から事業承継を見据え、後継社長候補へのバトンタッチを考えておくことだろう。

取材・文/ジャーナリスト 三浦 彰

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賢者の選択サクセッション編集部

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