COLUMNコラム

TOP 経営戦略 リブランディングの成功事例から学ぶ成功の秘訣やブランド戦略をご紹介
S経営戦略

リブランディングの成功事例から学ぶ成功の秘訣やブランド戦略をご紹介

ブランドは一度構築して終わりというものではありません。顧客から長年にわたって親しまれるブランドになるには、時代の変化に応じてリブランディングすることが大切です。今回は、リブランディングの成功事例、成功の秘訣、ブランド戦略について事例を交えつつ解説します。

リブランディングの成功事例

①ANA~マーク改変で一気に会社の事業が拡大~
ANAといえば、今や国内最大級の航空会社ですが、あの青のラインやロゴマークがデザインされた機体を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。実はANAは元々、国内線だけの航空会社で、当時のロゴマークも現在とはかなり異なるデザインでした。

創立30周年を迎えた1982年に、今の「トリトンブルー」を基調としたロゴマークに変更されましたが、ちょうど国際線の路線の拡大に乗り出していたタイミングも相まって、次第に事業も拡大していき、当時航空業界を独占していたJALを追い越すまでに成長しました。

②アサヒビール~ロゴマークが変わりイメージ一新~
アサヒビールの現在のロゴマークも、1985年に変更されたものです。業界2位を維持していたアサヒビールでしたが、高度経済成長の影響などもあり、市場占有率は徐々に縮小していきました。

そのような危機的状況を変えるために「アサヒスーパードライ」などの新商品の開発が進められている中、それらの発売に先駆けてロゴマークが変更されました。この変更により、イメージを一新したことも影響して、アサヒビールは業界トップに躍り出ることに成功しました。

③その他のリブランディングの成功事例
時代に合わせてロゴマークを少しずつ変えている企業は複数あります。シェル石油といえば、赤と黄色の貝のマークがおなじみですが、10~20年ごとに微妙に変化していることはご存知でしょうか。他にもクレジットカードのVISAの字体や、グリコ、スターバックスコーヒーのマークなどにも変化が加えられています。

言われなければ気づかないような細かい変化かもしれませんが、時代に合わせて柔軟に対応する姿勢を持っていることが、長く愛されるブランドの共通点であると考えられます。

リブランディングの成功の秘訣

確立されているブランドエクイティを高める

ブランドエクイティとは、ブランドが持っている資産のことを意味し、リブランディングを行ううえでは極めて重要です。ブランドエクイティには、ブランドの知名度や信頼度、持たれているイメージなどの要素が含まれており、リブランディング前にすでに確立されているこれらの要素をさらに高めることで、ブランドの飛躍につなげられます。

そのため、リブランディングを行う際には、ブランドエクイティの現状を把握することが必要不可欠であり、それを基にブランド変更の方向性やコンセプトを定めていくことが成功の鍵となります。

新しいブランディングデザインを構築する

ANAやアサヒビールの事例でも触れたように、ロゴマークなどのブランディングデザインには、ブランドのコンセプトやイメージを視覚的に伝える役割があります。

一番最初に目に入る情報であるため、顧客に好感を持たせやすい一方で、商品や企業のイメージにそぐわないものであれば、嫌悪感を抱かせてしまうこともあります。

リブランディングのコンセプトやターゲット層を詳細に設定し、それに沿ったブランディングデザインを構築することが大切です。

リブランディングを成功させるための「ブランド戦略」とは

ブランドの「顔」となることを意識してプロモーションする

ロゴマークなどを変更する際には、誰が見ても事業やブランドの内容がひと目で伝わるような、良い印象を与えるものにすることが重要です。人間にとっても「顔」から受け取る情報が多いように、そのブランドの「顔」として、顧客に受け取って欲しい情報をロゴマークの中にどのように表現すれば適切なプロモーションになるのか、意識する必要があります。

社員のモチベーションを上げる

それまでの事業内容に変更を加えるということに関して、不安を覚える社員も少なからずいることでしょう。その際に、顧客や取引先などの社外に向けた発信だけではなく、社内に対しても新たなビジョンの方向性を示すことは欠かせません。社員の不安が解消されれば、リブランディングへのモチベーションを上げることにもつながり、全員が同じ方向を向くことで、リブランディングの成功にも近づくと言えるでしょう。

まとめ

本記事では、リブランディングの成功事例について主に解説しました。ご紹介した事例のように、大企業、一流企業へとステップアップするきっかけとしてデザインが果たす役割は大きいので、中小企業こそリブランディングに取り組むべきだと言えます。ただ、どのような変更を加えるのかについては、新ブランドのコンセプトやビジョンを考慮したうえで決めなければならないので、社内外両方にプラスのイメージを与えるようなデザインに変更することを意識するとなお良いでしょう。

過去記事では、リブランディングの成功事例としてご紹介できる、インタビュー記事が盛りだくさんですので、ぜひ参考にしてみてください。
「M&Aによる事業承継で売上倍増―井筒まい泉の事業承継/岡本猛インタビュー#1」)

(「IT企業取締役から、泥臭くて大嫌いな家業へ。大正から続く木村石鹸に革新をもたらした、「ベンチャー型事業承継」に迫る!/木村祥一郎インタビュー#1」)

FacebookTwitterLine

賢者の選択サクセッション編集部

日本の社会課題である事業承継問題を解決するため、ビジネスを創り・受け継ぐ立場の事例から「事業創継」の在り方を探る事業承継総合メディア「賢者の選択サクセッション」。事業創継を成し遂げた“賢者”と共に考えるテレビ番組「賢者の選択サクセッション」も放送中。

記事一覧ページへ戻る