COLUMNコラム
「会社の評価」においてAIにできることと、経営者が挑むべきこと 日本人経営者が苦手な「事業評価」の重要性とは
専門家とともに事業承継について実例や知識を深く学ぶ「サクセッションアカデミー」(主催・一般社団法人サクセッション協会)の第6回目の講義が、6月5日に開かれ、「事業評価の基本」をテーマに、中小企業の社長が自社の置かれている状況を俯瞰する重要性について学びました。
目次
「数字を詳しく見られる人は会社の将来がわかる」
サクセッションアカデミーは、事業承継を機に企業の持続可能な成長につなげることを目的に、今年からスタートしました。「サクセッション」は、「承継」や「相続」を意味する言葉です。メガバンク出身の同協会代表理事・原健太郎氏と、約30年以上にわたり外資系企業等でコンサルティング業務を経験した同協会フェロー・中山良一氏が講師を務めます。
今回は、メガバンク行員時代に数多くの会社について事業評価を行った原氏が、自身の体験に基づき事業評価の重要性を話しました。
原氏は、「経営者は事業評価に苦手意識が多い」と述べ、「数字を詳しく見られる人は会社の将来がわかる」と指摘しました。
企業の将来を見通すためには、財務諸表の数字をただ見るだけではなく、それを「読める」能力が必要です。原氏は、特に年次決算時に各商品やサービスのうち、どの商品が強いのかを明確にするための個別評価が欠かせないと強調しました。
AIにできないことは
さらに、原氏は「AIは過去と現在の分析はできるが、将来の分析が課題」と述べ、AIで過去と現在分析を省力化するとともに、未来の分析こそ経営陣で時間をかけて行うべきと話しました。
中山氏は、「市場分析を“右肩上がり”で計算するのは難しいのでは? 勝者総取りになっている」という日本経済の現状を語り、かつてのように経営努力が正比例するものではない時代になっていると説明しました。
サクセッションアカデミーは、会社経営に関わる人や事業承継に興味を持つ創業希望者なら、誰でも参加可能です。詳しくは「賢者の選択サクセッション」ホームページから。
取材・文/松田謙太郎
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