COLUMNコラム
相談先探しの参考に! 事業承継にかかわる資格10選
さまざまな専門知識が求められる事業承継。実際、事業承継を進めていく経営者は専門家の知恵を借りることになるでしょう。本記事では、事業承継を扱う資格について解説します。ぜひ、事業承継の相談先探しの参考にしていただけたらと思います。
目次
事業承継に必要な知識とは?
大切な事業を次の世代へと引き継ぐ「事業承継」。相続や贈与が関わることもあり、さまざまな専門知識が必要になります。その一例を挙げてみましょう。
・相続税や贈与税、所得税などに関する税務の知識
・遺言書の書き方
・事業承継税制の申請方法
・各種申請の進め方、書類の書き方
・事業承継計画の立て方
・後継者を育成する方法
・「争続」を防止するための調整方法
・資産の評価に関する知識
必要とされる知識が幅広い分、経営者がすべてを網羅することは不可能です。事業承継をよりスピーディーに、よりスムーズに進めたいのであれば、こうした専門知識を持ったスペシャリストの助けが不可欠だといえるでしょう。
事業承継を扱う資格「10選」
続いて、事業承継を扱う資格を見ていきましょう。
①弁護士
最難関の国家資格、弁護士。法的な専門知識が必要な場面では、弁護士の力を借りましょう。
相続や自社株、経営承継円滑化法、M&Aなど、事業承継においてはさまざまな法知識が不可欠です。弁護士から、法的な観点からアドバイスをもらい、トラブル防止に努めましょう。
②税理士
同じく国家資格である税理士。事業承継やM&Aの対策は、相続税や贈与税、所得税、法人税なしで語ることはできません。
特に多くの経営者にかかわってくるのは、相続税と贈与税でしょう。事業承継税制などを活用しつつ、後継者の税務負担を減らせるよう、税理士のアドバイスを仰ぎましょう。
③公認会計士
難関国家資格の一つ、公認会計士。M&Aにおいて、企業会計の評価やデューデリジェンスなどの際には、公認会計士の出番となります。
④司法書士
司法書士といえば、法的な手続き・各種契約書作成の専門家。登記や事業譲渡、不動産移転の手続きにおいては、司法書士の法的な知識に頼ることとなります。
⑤行政書士
行政書士は、官公庁に提出する書類作成の専門家です。許認可の取得や資金調達、相続など、各種公的な手続きを行う際には、行政書士からアドバイスを受ける可能性があります。
⑥中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の支援やコンサルティングを行う専門家。中小企業が事業承継やM&Aを検討する折には、人事労務や経営全般のアドバイスが望める可能性があるでしょう。
⑦不動産鑑定士
不動産の資産価値を見定める、不動産鑑定士。相続が発生した際、不動産の資産価値を的確に把握するためには、不動産鑑定士の知識が必要となります。
⑧ファイナンシャル・プランナー
一般的な「お金の専門家」といえば、ファイナンシャル・プランナーです。経営者個人として、引退後どのように生活していくか、子どもに事業承継した後、どのように資産をやりくりさせるか――そういった相談の相手として、有力候補となるでしょう。
⑨事業承継士
一般社団法人事業承継協会が認定している民間資格、事業承継士。
一般社団法人事業承継協会のWebサイトには、事業承継士の概要が次のように書かれています。
事業承継とは、会社の理念/儲かる仕組み/独自のノウハウ/企業文化を承継し、後継者による更なる成長を図ることです。事業承継士は、これらの諸問題を総合的に解決することのできる唯一の資格です。「社長個人の相続」と「会社の事業承継」の両方の分野を融合させたものであり、単なる相続対策、節税対策にとどまらず、弁護士・公認会計士・税理士・中小企業診断士といったそれぞれの専門家をコーディネートする立場にあり、個別最適ではなく全体最適を目指して支援することができます。また、事業承継士として一定の経験を積み、試験に合格することにより、事業承継プランナー資格取得講座の講師になることができます。
事業承継やM&Aを行う際のパートナーとして、今後広く注目を集める専門家だといえるでしょう。
⑩事業承継プランナー
事業承継プランナーは、事業承継士と同様、一般社団法人事業承継協会が認定している民間資格です。
一般社団法人事業承継協会のWebサイトには、事業承継プランナーの概要が次のように書かれています。
事業承継は、一見無縁に見えたり、問題がなかったように見えても、実は潜在的な課題を抱えていたりすることが多いものです。事業承継プランナーは、こうした課題を発見して、相談のための前さばき、すなわち課題の整理と専門性の判断をします。そして、どこに本質的な課題があって、その課題の緊急度をどれくらいか、どのような専門性を持った事業承継士へつなぐべきか、という一次判断をするトスアップ機能を持っています。
つまり事業承継プランナーは、「事業承継のアドバイスを求める人」と「事業承継士」をマッチングする立場にあるということです。
まとめ
事業承継にかかわる専門家を10種類紹介しました。それぞれに専門分野が異なりますので、自社にとって今必要な知識は何か、誰に相談すればいいのか、一つひとつジャッジすることが求められます。まずは自社の抱える課題を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。
SHARE
記事一覧ページへ戻る