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新規事業の立案過程、便利なフレームワークや事業を成功に導くコツを紹介!

新規事業の立ち上げはリスクがある一方、収益増加などのメリットが得られる可能性があります。新規事業は立案の段階でしっかりアイデアを出すことが重要です。ビジネスで役立つフレームワークの中には、新規事業の立案に活用できるものもあるため、フェーズごとに使い分けると良いでしょう。この記事では、新規事業立ち上げの効果、立案の過程や便利なフレームワークを紹介します。

新規事業立ち上げの効果

新規事業を立ち上げる際に得られる効果は主に以下の3つです。

・増収を狙える

新規事業の収益化ができれば、既存の事業に加えて増収を狙えます。収益が増えれば、経営資源への投資や利益の蓄積などもでき、さらなる成長も見込めるでしょう。

・優秀な人材が集まりやすくなる

新規事業の立ち上げには多くのプロセスがあるため、人材育成の機会も豊富です。新しい事業に挑戦する企業には優秀な人材が集まりやすくなります。

・損失の危険を回避できる

消費者が求めるニーズは日々変化し、求められる商品やサービスも変わっていきます。企業として、一つの商品やサービスに依存してしまうのは好ましい状況ではありません。新規事業の立ち上げによって多角的な事業展開につなげられれば、損失の危険を回避できるでしょう。

新規事業を立ち上げた事例を紹介

新規事業を立ち上げた実際の事例を紹介します。

日本でも屈指の売り上げを誇るタクシー会社「日本交通」は、3代目の川鍋氏が事業を受け継いだ後、さまざまな新規事業を展開しました。その中の一つである「エキスパート・ドライバー・サービス(EDS)」は、観光案内や介護補助ができる専門的な乗務員が接客を行うサービスです。また、日本交通は日本初のタクシー配車サービスである「Japan Taxi」をリリースし、他社と事業を統合して配車アプリ「GO」の開発も行っています。

新規事業の立案に役立つポイント

新規事業の立案には順序があります。順序が必ずしも固定されているわけではありませんが、順番通りにステップを踏んでいけばスムーズに進められるでしょう。立案の際はフレームワークが役立ちます。

新規事業の立案過程

立案の過程は以下の7つに分けられます。

1.達成したい目標や自社の存在意義を明確にする
新規事業を展開していくための軸として、達成したい目標や社会における存在意義を明らかにしましょう。有意義で魅力のあるビジョンであれば、従業員のモチベーションも高まります。

2.ニーズにつながる課題を見つける
顧客・市場・自社・業界の課題を見つけることで、解決するにはどういった商品やサービスが必要になるのか分かりやすくなります。

3.事業ドメインを決める
事業ドメインとは事業を展開する領域のことです。事業領域を決定したら、新しい商品やサービスについて具体的に検討していきます。

4.市場性と事業性を分析・予測する
前ステップの事業アイデアに関して、市場での成長性や競合の有無、ターゲット層のニーズなど市場性と事業性を分析します。

5.必要な環境を整える
新規事業の立ち上げに必要な環境を整備することも大切です。経営資源や事業展開に関する情報について、必要なものを洗い出しておきます。

6.行動計画を立てる

過程の集大成として、「いつ」「誰が」「どのようなことをするのか」具体的かつ現実的な計画を立てます。

7.成果を検証して改善につなげていく
行動が始まったら、計画通りに進んでいるか、目標を達成できているかなどを定期的に確認します。計画や目標通りではなく予測から異なる結果になっている場合は原因を特定して改善につなげていきましょう。

新規事業立案のフェーズごとの便利なフレームワーク

ここでは、立案の過程で活用できる便利なフレームワークを5つ紹介します。

・MVV
「Mission(使命)」「Vision(未来像)」「Values(価値観)」の頭文字を取った言葉で、自社の理念や存在意義、目標を明確にできるフレームワークです。

・ビジネスモデルキャンパス
ビジネスに関する9つの要素を整理し、新規ビジネスの全体像を分かりやすくしたフレームワークです。要素は「顧客セグメント」「価値提案」「主なパートナー」「コスト構造」「収益の流れ」「チャネル」「キーリソース」「キーアクティビティ」「顧客との関係」になります。

・ペルソナ分析
性別や年齢、職業などを決めた仮想の顧客を想定し、その顧客のニーズや要求に合った商品やサービスを考えていくフレームワークです。事業ドメインを定めたり、市場性や事業性の分析に活用できたりします。

・3C分析
「Company(企業)」「Competitors(競合他社)」「Customers(顧客)」の3つの観点から分析を行うフレームワークです。自社や競合他社の強みや弱み、競争での優位性などを把握でき、市場性や事業性の判断に役立ちます。

ポジショニングマップ
X軸とY軸の2つを軸として、異なる指標を書き出すフレームワークです。自社と競合他社を比較し位置関係を明らかにできるため、自社のポジションを客観的に把握できます。

新規事業の成功率を高めるコツ

新規事業の成功率を上げるには、以下のポイントに注意しましょう。

・自社の経営理念に沿っている
自社の経営理念に対して、新規事業がマッチしているかどうかが重要です。経営理念からずれたものである場合、目的や意義を明確にできません。新規事業を考える際は、経営理念も考慮しましょう。

・ターゲットを明らかにする
ターゲットを明確にしたうえで、ニーズが的確に合うような事業でなければ市場に残ることは困難です。新規事業ではどういった顧客をターゲットにするのか明らかにします。

・スピーディーに展開する
競合他社よりも速く事業展開することができれば、新規事業の成功率を高められます。

・現場の従業員へ適切に伝達する
新規事業のプロジェクトは、現場の従業員が目的や意義を理解していなければなりません。既存事業と従業員がスムーズに連携できるように、新規事業に関する情報は適切に伝達しましょう。

テストマーケティングを行う
本格的に市場へ参入する前に、テストマーケティングで顧客のニーズや収益性を確認します。リスクを減らすため、テストでは必要に応じて修正を行いましょう。

まとめ

新規事業を成功させるためには、事業の立案に役立つポイントを押さえておく必要があります。立案の過程はフェーズごとに区切り、フレームワークを活用して進めていくのがおすすめです。

過去記事では、新規事業のさまざまなことについて解説しているので、ぜひご参照ください。
(「新規事業の狙い目はどうやって探す? 見つけ方と成功事例を解説」)

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賢者の選択 サクセッション編集部

賢者の選択サクセッションでは、⽇本経済の課題解決と発展のためには、ベンチャー企業の育成と併せて、これまでの⽇本の成⻑を⽀えてきた成熟企業∕中堅‧中⼩企業における事業承継をフックとした経営資源の再構築が必要であると考えています。 ビジネスを創り継ぐ「事業創継」という新しいコンセプトを提唱し、社会課題である事業承継問題に真摯に向き合うことで、様々な事業承継のケースを発信しています。 絶対解の存在しない事業承継において、受け継いだ経営者が事業を伸ばす きっかけとなる知⾒を集約していきます。

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