COLUMNコラム
なぜ、生命保険が中小企業の事業承継に大切なのか? 中小企業に寄り添うアクサ生命の経営戦略
23年度の保険料等収入8,885 億円、営業拠点数は300 を超える保険業界大手の「アクサ生命」。代表取締役社長兼CEOの安渕聖司氏は、日本企業の99%を占める中小企業の事業承継を進めることが、日本再生のカギであると言います。アクサ生命は、自社の生命保険を活用しながら中小企業の事業承継を支援していますが、具体的にはどのような手法なのでしょうか。
目次
なぜ、アクサ生命が中小企業をサポートするのか
アクサは、1817年フランス創業の保険と資産運用のグローバル企業です。日本には1994 年に上陸し、30 年の月日が経とうとしています。アクサは2000 年に、1934年創業の日本における企業福利のパイオニアである「日本団体生命」を経営統合し、アクサ生命は日本全国の中小企業に寄り添う保険会社に進化しました。
現在、中小企業が会員として多く参加する商工会議所と関係を深く築き、全国511の商工会議所の共済福祉制度を受託しています。こうした関係から、安渕氏は、現在の中小企業が「事業承継」という課題に直面していることを痛感しました。
中小企業にとって、事業承継における最大の課題は、経営者が60~70 代と高齢化していることです。アクサ生命は、経営者の健康を守りつつ、会社を未来につなげていくためのツールとして、生命保険の活用をしています。
なぜ、事業承継に生命保険が必要なのでしょうか。それは、経営者の育成など長期にわたって取り組む課題に対応するには、10 年後、20年後に起こるリスクに備えるうえでは生命保険の役割が欠かせないからです。
「健康経営」と「社長さん白書」
では、具体的にアクサ生命は、中小企業にどのような支援を行っているのでしょうか。
一つは「健康経営」の提案です。健康経営は、従業員らの健康管理に経営戦略的視点を組み込んだ経営手法で、経済産業省も推進しています。健康経営優良法人認定という制度があり、認定企業は会社のウェブサイトや名刺に「健康経営優良法人」のロゴマークを使用でき、健康経営に取り組む優良法人であることを証明できます。
求職者からは「従業員の健康管理を経営的な面からも大切にしていする企業」として評価され、企業イメージの向上につながります。アクサ生命保険は、全国の健康経営優良法人のうち、約4 分の1 もの企業をサポートしています。
もう一つは、中小企業が抱える普遍的な課題の抽出です。アクサ生命は中小企業経営者と直接関わるため、中小企業が抱える課題についてアンケートを毎年実施し、「社長さん白書」という冊子にまとめて発信しています。
この白書は、事業承継の不安を経営者だけではなく後継者にも訊いたデータなどを掲載しており、中小企業庁の公表データとは一味違う、事業承継のより深い実情が明らかになっています。
たとえば、白書のアンケートからは、経営者は自身の健康や後継者育成に関して不安を持っているのに対し、後継者は現経営者の個人保証や借入金、各種資金確保のための方策など「お金」にまつわることに不安を感じていることが分かります。
アクサ生命は、こうしたサポートを通して、事業承継について前向きに、経営者と一緒に考えていきます。経営者の事業に対する想いを尊重しつつ、高額になりがちな「事業承継にかかる税金」の課題を生命保険を活用して解決し、後継者の負担も軽減するといった実績を持っており、これらは中小企業のサポーターとしての存在意義を示す好例となっています。
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