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新規事業のフェーズごとに必要な人材は? 開発における4つのフェーズについて解説

新規事業を進める上では、開発フェーズの確認と必要な人材を確保することが重要です。基本的に新規事業の開発には4つのフェーズがあり、現在どこのフェーズにいるかで行動が変わってきます。この記事では、その4つのフェーズと必要な人材能力についてわかりやすく解説します。

新規事業開発における4つのフェーズとは

4つのフェーズとは、「領域やテーマの選定」「事業計画の設定」「事業立ち上げ」「事業拡大」です。まずは、それぞれの特徴を順番に見てみましょう。

領域・テーマの選定

はじめに、「自社が取り組むべき分野」や「一定以上の事業規模が期待できる分野」など、新規事業を展開する領域やテーマを決めていきます。この段階では、できるだけ多くのテーマを出しておくことが求められる他、有望な領域を見極めることが重要です。市場が規模に合わせて大きくなっていくかどうか、市場でトップになり得る分野かを考えていきましょう。領域やテーマは、既存事業の中で新しく発見したケースや、新規事業コンテストで募集した内容から発掘するパターンなどがあります。テーマを出す際に用いられる手法は、ブレインストーミングやマインドマップなどさまざまです。

事業計画の設定

次は、具体的な事業計画を立てていきます。計画に関しては、企業ごとに現在の状況などによって内容が異なりますが、事業計画を立てる上で必要な要素を満たせれば、しっかりとした計画を設定できるでしょう。
計画に必要な要素は以下の4つです。

・売れるか
・儲かるか

・できるか
・勝てるか

上記の要素を満たすには、市場の声を聞く必要があります。そのためには、仮説を立てて顧客のニーズを直接調査し、商品やサービスのプロトタイプを作成して検証しましょう。この作業を繰り返して、確実性の高い事業案を作成していくのです。

事業の立ち上げ

事業計画を設定したら事業をスタートさせて、顧客に対し商品やサービスを提供していきます。事業体制については、事業形態や顧客の状況などに合わせて変えていかなくてはならないため、固定する必要はありません。

また、立ち上げの段階では顧客獲得が重要です。顧客が商品やサービスを求めている点は、事業存続の要といえるでしょう。さらに、事業に関して予算が付くようになるため報告義務が発生します。社内の立ち回りについても考えなければなりません。

事業の拡大

立ち上げた新規事業に顧客が付き、事業として形成されていくことで、安定した黒字化が見込めます。事業拡大は最後のフェーズとして、社内外のステークホルダーも多くなっていくでしょう。その一方で、社内ではカニバリゼーションが発生してしまうケースも少なくありません。カニバリゼーションとは、新規事業による既存商品・サービスの売上減少などマイナスな影響を及ぼすことを指します。つまり、カニバリゼーションによって不利益が発生することがあるのです。

事業拡大を図る際、売り上げが安定しないことは珍しくありません。事業コンセプトの変更や事業撤退の基準を考えておくことも大切なポイントとなります。

新規事業開発におけるフェーズごとの必要な人材能力とは

開発フェーズを確認したところで、フェーズごとにどのような人材能力が必要でしょうか。ここでは、人材能力の特徴や必要になるフェーズなどを解説します。なお、それぞれのフェーズは同じ人材が担当する必要はありません。

アイデア創出とチャレンジ精神

アイデアの発掘と共感ができ、リスクがあってもチャレンジ精神を持って仕事に取り組める人材は、領域やテーマの選定や事業計画を立てるフェーズで重要です。ただし、事業開発の意義がはっきりしていない場合やアイデアに共感が得られない時に、モチベーションの低下を引き起こしてしまう恐れがあります。事業開発のリスクに耐えられる精神力も必要といえるでしょう。

営業力と仮説検証スキル

事業の立ち上げ・拡大の際は、積極的に顧客を獲得していかなければなりません。そのためには、創出したアイデアを具現化できる能力以外にも、高いマーケティング力や営業力を持った経験豊富な人材が求められます。企業はこういった人材を活用して、戦略的なアプローチを行っていくことが重要です。注意点として、事業開発は成果がはっきりわかるまでに時間がかかってしまうため、成果が表れるまでやり方などに不安を感じ、モチベーションが低下してしまう恐れがあります。

マネジメントスキルと拡販力

さらなる事業拡大を目指すには、開発メンバーや部門を正しくマネジメントできる能力を持った人材と、それに伴う拡販力が重要です。個人が築いてきた成果を型化し、組織マネジメント力を持つリーダー的な人材を獲得することで、新たな事業への挑戦が望めるでしょう。事業拡大のフェーズでは、開発の遅れや顧客の離脱といった問題も発生しやすいため、人材のモチベーション低下を防ぐ対策が必要になります。

まとめ

一般的に新規事業を進める際は、領域やテーマを選ぶ・事業計画を設定する・事業を立ち上げる・事業を拡大する、といった4つのフェーズが必要です。フェーズごとにアイデアの発想やマネジメント力など、人材に必要な能力は異なります。そのため、事業開発時はそれぞれのフェーズに適した人材を配置するようにしましょう。

なお、新規事業に関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。新規事業はアイデアの見極めが重要! 便利なフレームワークや成功事例を紹介

(「新規事業はアイデアの見極めが重要! 便利なフレームワークや成功事例を紹介」)

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賢者の選択サクセッション編集部

日本の社会課題である事業承継問題を解決するため、ビジネスを創り・受け継ぐ立場の事例から「事業創継」の在り方を探る事業承継総合メディア「賢者の選択サクセッション」。事業創継を成し遂げた“賢者”と共に考えるテレビ番組「賢者の選択サクセッション」も放送中。

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