COLUMNコラム
悩んだら相談を! 事業承継の専門家10選
経営者人生の締めくくりとなる事業承継。有終の美を飾り、後継者に事業をバトンタッチするためには、専門家への相談が欠かせません。本記事では、事業承継の専門家について紹介します。
目次
強みはさまざま! 事業承継の専門家
事業承継だけに携わる職業は存在しません。事業承継には、会計や税務、法務など、多岐にわたる知識が必要になるため、そのすべてをカバーできる職種はないのです。
必要に応じて、各分野の専門家にアドバイスを仰ぐイメージです。ここからは、事業承継に携わる専門家を10種類紹介します。
税理士
会計・税務の専門家である税理士は、事業承継において、相続税の評価・申告などの業務を遂行します。また、M&Aを行う場合には、税務デューデリジェンスを担当し、相手企業の税務上のリスクを調査します。
特に事業承継税制を活用する際には、税理士と連携を取り、一つひとつの手続きを確認しながら進めることをおすすめします。
事業承継税制についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
(「事業承継で相続税が免除になる方法!――5分でわかる「事業承継税制」の仕組みとポイント」)
弁護士
弁護士は法律のスペシャリストです。特に親族内承継を選択し、相続や遺言、遺産分割についてアドバイスがほしい場合には、心強い相談先となってくれるでしょう。相続人や株主との間でトラブルが発生した際にも、弁護士に相談するのが正解です。
ただし、弁護士に依頼すると費用が高額になりやすいため、あらかじめ予算を確認しておきましょう。
親族内承継についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
(「大切な事業を親族へ!「親族承継」のメリット・デメリットと手順」)
事業承継・引継ぎ支援センター
公的機関を選びたいなら、事業承継・引継ぎ支援センターに相談しましょう。
事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業庁が設置した公的機関です。事業引継ぎ相談窓口は全国各地に、事業引継ぎ支援センターは北海道・宮城県・東京都・静岡県・愛知県・大阪府・福岡県の7つの都道府県にあります。
事業承継・引継ぎ支援センターの主な支援内容は、マッチングです。事業承継の相手を探してもらえるほか、M&A仲介会社の紹介もしてもらえます。後継者を探している中小企業にはぴったりの専門家だといえるでしょう。
また、公的機関であるため、フラットな情報提供や助言が期待できるのも大きなメリットです。
金融機関
金融機関も事業承継の専門家の一つに数えられます。近年では、事業承継やM&Aの窓口を設ける金融機関が増えています。
メリットは、取引のある金融機関であれば、自社の事情を深く理解してくれているため、経営状態を踏まえたアドバイスを受けられることです。
注意点は、融資を前提とした事業承継を提案される可能性があること。また、法務などは別の専門家に相談する必要があるので、それを面倒に感じる経営者もいるかもしれません。
M&AアドバイザリーとM&A仲介会社
親族内承継と従業員承継が難しく、後継者が見つからない場合には、M&Aによって第三者に事業承継することになります。
そんな中小企業に役立つ専門家といえば、M&AアドバイザリーとM&A仲介会社です。
M&AアドバイザリーはM&Aの専門家で、証券会社やコンサルティング会社などが該当します。M&A仲介会社は、マッチングから契約締結までをサポートしてくれる専門家です。
いずれも多額の費用が発生するため、事前に予算を確認するようにしてください。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業経営者のさまざまな悩みを解決する専門家です。税理士や弁護士のような高度な専門知識はありませんが、まずは悩みを相談し、アドバイスを受けるのもいいでしょう。
事業承継士
事業承継士は、一般社団法人事業承継協会による民間資格です。事業承継の問題全般の専門家として、頼れる存在になってくれるでしょう。
事業承継アドバイザー
事業承継アドバイザーは、事業承継における法務・税務・企業価値評価などのアドバイザーです。幅広い知識を有しているため、「何を相談していいかさえ見えていない」という方にはぴったりの専門家だといえるでしょう。ただし、各分野の深い知識を有しているわけではないため、さらに深い情報を求めるならば税理士や弁護士に依頼しましょう。
事業承継プランナー
事業承継プランナーは、事業承継センターが運営する民間資格です。事業承継アドバイザーと似た立ち位置で、最初の相談先として適しています。
事業承継再生士
事業承継再生士とは、一般社団法人日本ターンアラウンド・マネジメント協会による民間資格です。事業再生に関する経営や法律の試験に合格した人たちなので、事業再生に関するスペシャリストだといえます。
まとめ
事業承継の専門家には、それぞれ強み・弱みや、活用するメリット・デメリットがあります。自社の段階や予算に合っているかを慎重に確認しつつ、実績や相性なども考え併せて選ぶことをおすすめします。
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