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「美味しんぼ」にも登場、京都の純米大吟醸が3年連続金賞受賞 実は、日本に純米酒を復活させた酒蔵

画像提供:玉乃光酒造(株) 日本酒製造「玉乃光酒造」(京都府伏見区)の「純米大吟醸 備前雄町100%」がこのほど、モンドセレクション2024の金賞を受賞した。味わいや高級感が評価され、今年で3年連続の受賞となる。

事業承継で大きく成長

玉乃光酒造の「純米大吟醸 備前雄町100%」は販売から30年以上、前身の商品を含めると40年以上続く同社のロングセラー商品。売上高は玉乃光酒造全体の約20%を占める。

11代目社長の宇治田福時が復活させたとされる酒米「雄町(おまち)」を使った、フルーティな香りとしっかりした深い味わいが特徴の日本酒で、いつまでも飲み飽きせず、食中酒としても楽しめるのが特徴だ。

画像提供:玉乃光酒造(株)

玉乃光酒造は、江戸時代(1673年)から350年以上続く老舗酒蔵。和歌山県で創業し、現在は京都府伏見区に酒蔵を構える。戦後、純米酒を市場に復活させた蔵元でもある。

2023年9月、第14代目として羽場洋介氏が社長に就任した。100年以上続く酒蔵や伝統的な酒の味は守りつつ、直営レストランをオープンしたり酒粕を利用したスイーツブランド「無垢-muku-」を展開するなど、新たなチャレンジもしている。事業承継を機に大きく成長した会社といえるだろう。

画像提供:玉乃光酒造(株)

グルメ漫画『美味しんぼ』にも登場

「純米大吟醸 備前雄町100%」は、週刊マンガ「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載されていた人気グルメ漫画「美味しんぼ」(原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ)の第213話「野生の味」でも紹介されている。切れ味鋭い味は、マンガの中で「備前長船の名刀」にたとえられた。

Ⓒ雁屋哲・花咲アキラ/小学館

モンドセレクションは、ベルギー政府の主導によりブリュッセルに設立された国際的な品評機関が行う食品品質コンテスト。約80名の専門家や審査員によって製品の品質や美味しさが評価され、優れた製品に対して賞が与えられる。参加企業の数は毎年80カ国、1,000社以上にも上る。

(取材・文/川島愛里)

玉乃光酒造株式会社

創業350年を超える老舗酒造メーカー。1673(延宝元)年に紀州藩の御用蔵として和歌山で誕生。その後、戦時下で酒蔵が焼失したため、京都伏見に移転。米と米麹と水だけで作る純米酒をいち早く復活させ、酒造の原点に立ち返った酒蔵として人気を博す。

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賢者の選択サクセッション編集部

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