COLUMNコラム
新規事業の融資以外の資金調達方法、 メリットやデメリットを解説
新規事業の立ち上げには、多くの資金が必要となります。
銀行からの融資を考えている方もいらっしゃると思いますが、融資を受けるには審査に通らなければなりません。
そこで今回は、融資以外の資金調達方法から、クラウドファンディングによる資金調達、個人借入での資金調達、公的制度での資金調達方法のメリット・デメリットについて解説します。
目次
融資以外の資金調達方法
資金調達とは、新たに会社を設立する際などに必要な資金を調達することです。
資金調達は起業時だけではなく、手元に事業資金がない、会社を運営するための運転資金がないという中小企業も検討する方法です。
日本政策金融公庫総合研究所が2022年に実施した調査データによると、開業時の資金調達費用は平均1,274万円で、資金調達先は「金融機関等からの借入」が約7割、「自己資金」が約2割という結果になっています。
このように、起業・開業における資金調達方法として、まず思いつくものが銀行や信用機関などの金融機関から融資を受ける方法でしょう。
しかし、返済能力が低い、赤字経営になってしまっている、会社の規模が小さいなどといった状況の場合、融資を受けることが難しくなります。
また、業種や業態によって適切な資金調達方法が異なるため、事業計画書をもとに資金計画を立てることがポイントです。
融資以外の資金調達方法としては、以下の5つの方法が挙げられます。
・出資:自己資金やベンチャーキャピタル、エンジェル投資家など
・資金の現金化:ファクタリング、手形割引、リースバックなど
・クラウドファンディング
・個人借入:銀行の個人ローンや知人からの借入など
・補助金や助成金などの公的制度:創業補助金や再就職手当など
本記事では、クラウドファンディング、個人借入、公的制度についてご紹介します。
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クラウドファンディングによる資金調達
クラウドファンディングとは、インターネット上で自社の商品やサービスをアピールして、その開発や販売のための資金を不特定多数の賛同者から集める資金調達方法です。
資金提供者はほとんどが個人のため一人あたりの出資額は少ないですが、多くの賛同者を集めることで多額の資金を調達することができます。
集められた資金は、資金提供者に対してどのようなリターンを与えるかによって、購入型・融資型・投資型・寄付型などと異なります。
クラウドファンディングによる資金調達のメリット
クラウドファンディングによる資金調達の最大のメリットは、ネット上に多くのクラウドファンディングサイトがあるため、気軽に始めやすいことです。
多くの人にビジネスプランを周知できるので、期待以上の資金を調達できる可能性があります。
また、購入型・寄付型のクラウドファンディングでは、賛同者に商品やサービスを提供するだけなので、資金返済の負担やリスクが少なくて済みます。
クラウドファンディングによる資金調達のデメリット
簡単に始めることができる一方で、賛同者が集まらなければ資金調達につながらないというデメリットもあります。
今までにはない新しいアイデアのものを求める人が多いため、既存の商品をリニューアルするだけではなく、斬新な商品・サービスの開発をし、それらをいかに魅力的にアピールするかが重要です。
また、クラウドファンディングは専門サイト運営者に15%程度の手数料を支払わなければならず、差し引かれる手数料も見据えて目標金額を設定する必要があります。
個人借入での資金調達
銀行や消費者金融の個人ローン、知人からの借入などの個人借入は負債を増やす方法であることからデッドファイナンスとも呼ばれます。
そのためできれば避けたい資金調達方法ですが、資金繰りが厳しい会社ではやむを得ません。
個人借入での資金調達のメリット
銀行や消費者金融の個人ローンは、個人の信用次第で容易に無担保無保証でお金を借りることができ、審査書類も少ないことから申請手続きも比較的簡単です。
また、起業家の親族・知人からの個人借入は、親しい間柄なので利息などの面で融通が利きやすいことが大きなメリットです。
個人借入での資金調達のデメリット
銀行の個人ローンは本来は用途が事業資金として想定されていない資金の流用であるため、総じて金利が高く設定されており、あまり資金調達方法としておすすめできません。
さらに、多くの場合、親族や知人は起業の専門家ではないため、専門的なアドバイスは期待できません。
また、身内とはいえ、起業した会社が成功しなかった際には、トラブルに発展し、信頼関係に傷をつけてしまう可能性もあります。
補助金や助成金による資金調達
国や地方自治体が定める要件をクリアすれば、補助金や助成金といった給付金を受け取ることが可能です。
補助金は事業の実施を支援するための給付金であり、助成金は雇用や研究開発を支援するための給付金です。
補助金や助成金での資金調達によるメリット
補助金、助成金のどちらも返済不要というのが大きなメリットです。
また、補助金はまとまった金額を調達することができ、助成金は申請すれば高確率で受給できます。
補助金や助成金での資金調達によるデメリット
一方で、特定の事業内容や特定の規模の事業者でなければ申請できないような制度もあり、実際に支給されるまでには申請から受給までの書類を作成する必要があるなど準備に時間がかかります。
さらに、申請してから支給の決定までには約2年かかり、基本的に後払いになるため、手元に支給されるまでは一時的に立て替えが必要になります。
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まとめ
本記事では、銀行融資以外の新規事業に必要な資金を調達する方法をご紹介しました。
クラウドファンディング、個人借入などの比較的気軽に利用しやすい方法のほか、国の制度を有効活用することも費用を抑える方法の一つです。
過去記事では新規事業の助成金や補助金の利用事例についても解説しているので、ぜひご参照ください。
「新規事業に活用できる、助成金や補助金利用者の事例を紹介」はこちら
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