COLUMNコラム
企業の「アトツギ」問題、考えていますか? 日本経済の大きな課題、事業承継を学ぶ「サクセッションアカデミー」開講
日本経済の大きな課題となっている「事業承継」について、理論と実践を学ぶ「サクセッションアカデミー」(主催・一般社団法人サクセッション協会)が3月13日、スタートしました。9月まで計13回の講義(対面とオンライン)を通して、「事業を継ぐ」だけでなく、承継を機に企業を成長させる知識や実例について、専門家とともに詳しく学びます。
目次
なぜ今、事業承継を学ぶのか
日本の事業承継は、経営者の高齢化やビジネス環境の変化が進んでいるにも関わらず、60代経営者の半数が後継者を育てておらず、後継者難による廃業が増加しているといった問題があります。企業全体の99%以上を占める中小企業の技術やノウハウが継承されずに廃れ、日本経済にダメージを与える恐れも指摘されています。
サクセッションアカデミーは、こうした事業承継問題について深く学ぶ機会を経営者らに提供し、企業の持続可能な成長と社会貢献を目的とし、今年からスタートしました。「サクセッション」とは、「承継」や「相続」を意味する言葉です。
講師を務めるのは、メガバンク出身の同協会代表理事・原健太郎氏と、約30年以上にわたり外資系企業等でコンサルティング業務を経験した同協会フェロー・中山良一氏です。
100年先を見据え、長いスパンで考えるには
3月13日は、アカデミーのイントロダクションとして開講しました。
このアカデミーで目指す承継について、原氏は「事業『創』継」という造語を紹介し、「新事業などを創りながら継ぐというのが最大のポイント」としました。中山氏も、「経営者の交代では、相続や保険、節税に注目することが多いが、成長戦略を創造し、この先100年の将来像を描くことが大切」と指摘しました。
なぜ、承継のタイミングで「創造」が必要なのでしょうか。
原氏は「デジタル化などビジネス環境が変化し、今まで求められていたサービスが必要とされなくなる。先代の事業を継ぐだけでなく、新事業が欠かせない」と産業構造の変化を踏まえて説明しました。
では、事業承継問題の解決のカギはどこにあるのでしょうか。
中山氏は、「カリスマ、スーパーマンで、コピーの効かない社長が多い」とし、「60代経営者の半数が承継者を育てていない」と問題を指摘。原氏は「継ぐタイミングだけでなく、長いスパンで考える必要がある」としました。
実例や専門知識、分かりやすく解説
こうした事業承継問題に関して、サクセッションアカデミーの今後の講義では、実例を紹介したり、専門的な知見を分かりやすく解説したりしながら、経営者の事業承継をサポートしていきます。
サクセッションアカデミーは、会社経営に関わる人や創業希望者なら誰でも参加できます。詳しくは、「賢者の選択サクセッション」ホームページに記載があります。
取材・文/松田謙太郎
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